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  2020.03.30.
  高島市・焼却炉:なぜ浸水地に建てるのか・議員!
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予定地取得で議員が反対決議!
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 高島市が朽木宮前坊区で計画している「新ごみ焼却場」計画の検討委員会議事録(令和元年度11月13日開催)の資料を入手し読んでみたが、市当局と議員の間でやり取りしている内容は、基本的には委員会の答申が採用されるだろうが、土地購入に関し市が決めた宮前坊の宝牧場の一角の土地取得について、議員側は「安曇川河川の遊水地機能がある場所で、市の中でも1番浸水リスクの高い場所」とし、購入に反対の決議を出した。
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 上流部には高岩橋(感電取水堰)があり、狭窄部になっており、豪雨となったなら水量が異常に増し浸水する場所であり、昨今の異常気象の中、地形的にも朽木村は豪雨発生する雨雲の発生地帯でもある。
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 令和元年度第4回委員会議事録(令和2年2月28日)では、現況からの嵩上げを約3m盛土した場合を例として提示している。これは、200年確率の降雨量と平成25年台風18号の降雨量を参考とし、河川分野(治水、利水、環境、防災に関わる調査計画)の専門事業者による浸水解析の比較をしたとしている。
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 この解析結果、安曇川下流域の浸水深の差を比較したが、下流の最高河道水位に差がないことが分かり、平成25年の18号台風でも概ね0.1~0.2cmの変化水位程度であり、影響はないものとみられ、この解析結果については、河川管理者である滋賀県の確認を得ている。との報告である。
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 この解析の専門事業者は、コンサルタントなのか、土木業者なのか、有償なのか、無償なのか「詳細は委員会も議員も質問していない」のが不思議な点である。
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 令和元年11月13日の第3回委員会の会議録では、処理方式は「ストーカ式焼却炉の採用を決定する」とあり、浸水が想定される地での施設高さを20mとしているが、前提条件として決定したのかとの委員の質問に、現時点での想定であると事務局は答えているが、委員は「建物の高さは、ピットも含めて20mで収まるのか、メーカーに確認した方が良い」との問いに、事務局は「確認する」と答えている。
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 複数のメーカーに対し事前問い合わせをしているなら、確認する必要はない。特定メーカーのみのデータであるから「確認する」のだろう。
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 建設予定地について、浸水が想定されているが、滋賀県流域政策局と協議を行っているかとの問いに、事務局は、協議を行った結果「安曇川氾濫時、当該地域の遊水地機能を十分確保するために、盛り土を最小限にすること」および、「敷地内に浸水した場合、ゴミの流出を回避すること」との意見があった。と回答している。
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 第3回の委員会質疑、第4回の委員会答申を読んでみて、議会が反対する市の提案する朽木宮前坊区の土地買収反対決議は、裏に何か意図することがあるのではないのか。
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 深山坊区の土地買収より、現在休止中の焼却炉の改修、敷地の買い増しに中心を置くべきだとの意見は、一見的を射てるように見えるが逆に、問題を先送りにするだけで、改修しても長期の使用には耐えれず、いずれ(5,6年先)どこかに新築をしなければならない。また、長期間ダイオキシンが発生していたことを見ると、周辺のダイオキシン調査と除去、休止中の流動式ガス化溶融炉は廃止している自治体が多い中、改修維持管理の中で部品調達に万全が期せるとは思えない。
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 議会が反対している、浸水問題は予定地の山手に「焼却施設を設置」した方が良いはずだが、何故か一人の議員も提案していない。浸水地域だから反対という近視眼的意見は、何を意味するのだろうか。
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