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   2021.08.02.
  建設現場の戻りコン・残コン:誰が処理する!
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弱いものに押し付ける業界体質!
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日本国内で使用される生コン量は7818万m3!
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戻りコン・残コンは234~390万m3!
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 生コン出荷量は平成2年度に過去最大の出荷量となり、全国で1億9799万m3であったが年々減少し、令和2年度には7818万m3(平成2年比39.5%)にまで落ち込んだ。
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 今後も生コン生産量は減少することは予想される。鉄骨鉄筋コンクリート造の建設物は減少している。建築物の高層化に伴いパネル構造となり、生コンの現地打ちは減る一方である。
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 生コンは、生コン工場において、セメント、骨材、混和剤、水等の原材料を混合して製造されていることは誰でも知っており、その生コンは、通常ミキサー車により運搬され、工事現場においてポンプ圧送され、打込まれているのはよく目にする通りである。
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しかし、現場打ち込みのたびに戻りコン・残コンと呼ばれる産業廃棄物として処理されている生コンがある。推定3%~5%あると言われる。一部再生利用されているが、廃棄物として処理されているであろう数量は234~390万m3である。下表の各県別出荷量を見ると廃棄物と処理されている量の多いことが良くわかる
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 建設業界で、残コンと称しているものは、「現場検査で不合格になった、余裕を見すぎて発注した、排出後に余った、ポンプ車のホッパや輸送管に残った、受入れ検査に使用した、打ち込み中にこぼれた生コン」があげられるが、「戻りコン、残コン」と解釈されている内容物を処理するのは、発注者の元請建設業者なのか、生コン製造業者なのか、圧送ポンプ業者なのかということなのだが、業界内では一部有料負担を除き、生コン製造業者と圧送ポンプ業者に処理を押し付けている。
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 残コン問題は、生コン製造業や圧送業者にとって頭の痛い事は事実だ。
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 残コン問題は、現場でミキサー車から排出或いは圧送ポンプに排出し、現場で使用し始めた時から「打ち込んでいるものは商品であり、余ったり残ったものは廃棄物」となる時から廃棄物は基本的に誰が負担するかにある。
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 産業廃棄物として誰が処理するかの問題は重大な関心事であり、国会でも議員質問として提出された時期があるが、今も完全解決をしたわけではない。

平成27年(2015)4月2日に衆議院議員鈴木克昌氏より「いわゆる残コン・戻りコンおよび、おからの産業廃棄物としての位置付けに関する質問主意書」として提出された。
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つづく
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