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   2021.09.27.
  西松建設:村上系と戦うよりも・自社株買いへ!
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長期戦だったら村上系は妥協をしたか!
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数年後・別なファンドから同じ手で攻められるかも!
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 2020年初めころから村上系のシティインデックスイレブンが西松建設の株式を仕込み始め、2020年4月24日大量保有報告書を提出した内容では、
シティインデックス 106,700株 取得額246,701千円 @2312円
野村       2,724,400   6,296,326千円  同上
合計       2,831,100株  6,543,027千円   同上
と言う内容であった。
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 この時点から、旧村上系グループは、最終目的を西松建設の自社株取得に狙いを定めていたのだろう。
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★2020年4月17日の大量保有報告書では5.09%
★2021年2月26日の大量保有報告書では16.42%に増加
★2021年3月10日の報告書で村上系3者の取得は17.55%に
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 報告書の発生する1週間前の3月3日に、西松と村上会談が水面下で始まり、村上側より以下の3項が提案
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1.西松建設と大豊建設(村上側は30%保有)の経営統合
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2.MBOによる株式の非公開化(「経営陣買収」といわれ、企業の事業部門や子会社等の責任者や従業員が,事業の継続性を前提に本体企業から株式等を買い取り,経営権を得て独立する手法)代表例は、
不動産会社のユニゾホールディングスが、2020年4月、一部従業員と米国の投資会社が設立した会社がEBO(従業員の買収)で経営権を取得した。2019年、旅行大手代理店「エイチ・アイ・エス」から仕掛けられた敵対的TOB(株式公開買い付け)を機に一変した。対抗策として、外資ファンドと組んで従業員による自社買収(EBO)を実施したもの。ユニゾは非公開化で独立を保てたものの、EBOの資金を捻出するために、次々と「虎の子」を手放さざるを得ず、優良資産は安く買い叩かれ、集客力の低いホテルなどが売れ残った。2020年12月、日本格付研究所によるユニゾ債の格付けは、投資不適格、いわゆるジャンク債の扱いの「BBプラス」へと引き下げられている。
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3.自社株買いによる株主価値の向上
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 西松建設は、返答で「1.2は受け入れられない。3に沿う形」で中期経営戦略を打ち出す方針にした。連結配当を30%超から、70%以上に引き上げ、今後3年間で総資産の1割に相当する200億円以上の自社株買いを実施するとした。
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 2021年5月12日、村上は「最大で2000億円の自社株買いを提案、シティインデックスイレブンのリリースでは、「極端に言えば、、、最大で2000億円の自社株買取が可能だと述べたに過ぎない」と述べている。
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 村上は交渉で34%超所有することを主張、西松は拒否権も絡み嫌い攻防は続いた。2000億円の自社株買いの言葉は何が根拠だったのか。
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 2021年3月期末の西松の純資産は2075億円あり、発行株を買い取る資産があるじゃないかと言うこと。極端な言葉で揺さぶられたことになる。
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 長期間、資産として30%超の株式を保有するつもりがないことは歴然としており、2020年初めから2021年5月までの買い取りに資金を投入ても、購入から売却の回転を効率良くしなければ、資金調達先へ良好な配当が出来なくなる。
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★2021年5月24日の大量保有報告書ではシティ、野村絢(村上の娘)、エスグラント、青山不動産が13,268,800株、23.87%を保有。
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 元々、村上系が西松建設を狙ったのは、シティインデックスが中堅ゼネコンの大豊建設、東亜建設工業、設備の三信電気、建材のセントラル硝子などであり、コーナン商事㈱も買われ始めた。
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 今回、西松建設が自己買いを決定した段階で、買い付け価格は申し出「1株3640円」を「1株3626円」で決定。
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★2021年9月17日の大量保有報告書では、
・シティインデックスイレブン
保有株数 5,338,400株 9.6%
 借入金 11,557,901千円  借入先 ㈱ATRA 野村絢
 借入信用取引(三田証券)1,908,000千円
・野村 絢(事務上連絡先 シティインデックスイレブン)
保有株数 2,290,300㈱ 4.12% 
 市場外で処分 1株3,635円 譲渡先 シティインデックス
・シティインデックスイレブン
保有株数 2,290,300㈱ 1株3,635円 資金 16,397,001千円
 借入金 1,076,214千円 ㈱リビルド 池田龍哉
 借入先 15,320,787千円 ㈱オフィスサポート 池田龍哉
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この結果、シティ関連の所有する株数は所有会社名は変わっても全株シティインデックスイレブンの代表池田龍哉の会社に一本化された。

・㈱シティインデックスイレブン 5,338,400株 9.60%
・エスグラントコーポレーション 5,279,100株 9.50%
・㈱南青山不動産        3,179,300株 5.90%
合計 13,896,800株 25.0%
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●2021年9月21日の西松建設取締役会で、㈱シティインデックスイレブンほか2社が所有する13,896,800株(25.0%保有)の株数は@3626円で買い取る。
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支払い原資は、自己資金43億円、みずほ銀行よりの借入金500億円で支払う。
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公開買い付の株数は、15,000,000㈱、総額54,390,362,600円(いずれも上限)。
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買い付け期間は、2021年9月22日~10月20日まで
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決済の開始は、2021年11月12日 応募株主の口座へ
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【西松建設 9月24日 株価】

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 西松建設もこれで当分本業に精を出せる体制に戻ったが、同じことは繰り返す恐れがある。いつも資産があるから何とかなるという考えであるなら、村上系は大豊建設と経営統合を提案したように、どこかのゼネコンと合併させようと狙いを定め、資産を減らされ挙句の果てに合併工作に出てくるのではないか。
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