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   2022.04.22.
  現場代理人・隣接住民の苦情:間違えると現場が止まる!
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外部コンサルか現場担当か・どう対応する!
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 現場代理人といえば、会社を代表して現場を預かるわけだから、それなりの権限が与えられていることは事実だ。が、本店、支店、営業所のどこに所属しているのかにもよるし、現場発注に関連する資材、機材、名義人の発注は大抵が本支店の調達部或いは資材部が担当しており、現場代理人が発注する権限は警備保障か生コン(数量によっては調達)程度になってきた。
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 現場管理が中心となり、現場代理人が現場内をウロチョロすることはあまりない。公共工事と民間工事では現場代理人の配置義務について違う。
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 中央建設業審議会による「公共工事標準請負契約約款」には配置義務が定められているが、民間工事に於いては置かなくてもよい。現場代理人は経営者の代理という意味で、特別な資格はない。簡単に言えば「建築の知識、経験」が無くても現場代理人になることは可能である。
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 現場には主任技術者や管理技術者を配置する事が義務付けられているわけだから、無駄な人員を配置したり、現場内で遂行上に齟齬をきたすようなことがないよう、実務経験者が兼務する。
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 現場代理人は工事現場に常駐し、現場全体の運営管理を主業務とする。これは、会社経営者の代理でもあるから、現場を預かるうえで金銭にかかること(請負金額の変更、追加工事の請求、受領)は、現場代理人の重要な仕事である。
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 もちろん、請負契約に明記されている工期は重要であり、契約条項によってはペナルティが設定されている。
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 現場における工程管理上、無視できないのが現場周辺の近隣対策である。現場は工程上、基礎工事、残土排出、躯体工事、外壁工事、設備工事、内装工事、外部足場工事、タワークレーン工事、生コン工事、外構工事など多種多様の工事が同時進行で行われている。これらの工事で現場周辺に影響を与えるのは、基礎工事に関連する排出土砂の運搬である。土砂排出時におけるタイヤの洗車、ダンプの場外待機(数台が道路で待機する)するが、待機場所の近隣からクレームが現場に寄せられる(ダンプのフロントに現場名が書いてある)ので次々と場所を変えている。これは、生コンの打ち込みの時、圧送ポンプ車が設置され生コン車も近隣道路に待機している。
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 現場で起きるクレームは、騒音、振動、現場出入りの車両の誘導など多種多様であり、現場がどのような対応をとるのか次第でクレームがエスカレートし現場が止まることがある。
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 どのように対応するのかは現場工程管理会議で机上に乗せられ、クレームの主に面談するのか、町内会長を通じて住民全体に説明するのか、対応措置を文書化し個別に配るのか、その現場でどうするのかは現場代理人の指示の内容にもよる。
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 現場設置前に事業計画を近隣説明会をしたコンサルに任せるのか、現場が直接対応するのか、本店、支店、営業所の方針にもよる。
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 ひどい話になると、現場主任者が苦情申し立て者に対し応対電話を切ったり、来訪者を追い払うような態度に出たり、現場ガードマンに対応するなと指示を出したり、対応次第では現場混乱にまで発展することさえある。
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 最近の傾向としては、クレームに対し懇切に聞いたふりをして、返答はメールでしたり、結論もつかない間に工事再開したり、無視をする傾向が見られる。
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 建設現場が危険と隣り合わせであることは、新聞やTVでも現場での落下人身事故、クレーン車の横転、現場内の土砂崩れ、歩道への羅㏍物事故と実に多い。現場代理人の重要任務には「問題解決能力」があるのかということだろう。
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 部下の現場主任と対応の齟齬があるようだと危ない現場に分類されるだろう。
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 この記事に該当するような現場があったら是非お知らせください。匿名で結構です。
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